YAMAHA(ヤマハ)NS-590を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

YAMAHA(ヤマハ)NS-590を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】

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YAMAHA NS-590はヴィンテージなスピーカーです。

本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。

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YAMAHA NS-590の概要と特徴

YAMAHA(ヤマハ)NS-590の概要と特徴
YAMAHA(ヤマハ)NS-590のスペック
方式3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型
使用ユニット低域用:30cmコーン型(JA-3064)
中域用:12cmコーン型(JA-1204)
高域用:3cmドーム型(JA-0522)
インピーダンス
再生周波数帯域40Hz~20kHz
出力音圧レベル91dB/W/m
最大入力70W
外形寸法幅370x高さ665x奥行315.5mm

YAMAHA NS-590はスピーカーシステムです。

エンクロージャーはバスレフ効果を高めるため、ダブルダクトを採用しています。

以下から、YAMAHA NS-590の特徴について詳しく解説します。

①:低域のコーン部はコルゲーション入りのコニカルタイプ仕上げ

YAMAHA NS-590の低域のコーン部は、コルゲーション入りのコニカルタイプ仕上げとなっています。

コルゲーション入りのコニカルタイプってなに?

一言で解説するのは難しいので、単語を分割しながら解説します。

  1. コニカルタイプ:振動板の形状を指します。コニカル(円錐形)は、振動板が円錐のような形をしていることを意味します。円錐形の振動板は音波を均等に拡散し、音の歪みを減らします。
  2. コルゲーション:振動板に波状の溝や折り目があることを指します。このコルゲーション(波状のデザイン)は、振動板が柔軟でありながらも十分に剛性を保つのに役立ちます。さらに、振動板が適切に動くことを確保し、音のクリアさと忠実度を高めます。

上記の2つを足した言葉が「コルゲーション入りのコニカルタイプ」です。

つまり、コルゲーション入りのコニカルタイプのコーン部というのは、スピーカーがよりクリアで自然な音を再生する能力を高める設計です。

②:高域のドーム型ユニットの磁気回路には強力な磁束密度

YAMAHA NS-590の高域のドーム型ユニットの磁気回路には、強力な磁束密度があります。

具体的なYAMAHA NS-590の磁束密度の数値は、14,500ガウスで非常に強力な磁場を意味します。

この特徴は、一般的にスピーカーの性能を向上させるものです。

  1. 強力な磁場:高い磁束密度と総磁束は、スピーカーがより強力な磁場を生成できることを意味します。これにより、音の忠実度とクリアさが向上します。
  2. 効率的なエネルギー変換:強力な磁場は、電気エネルギーを音波に効率的に変換します。これにより、音量の歪みを減らし、より正確な音の再生が可能になります。

YAMAHA NS-590高域のドーム型ユニットには強力な磁場があるので、音質も確かなものになっています。

③:トゥイーターとスコーカーには連続可変タイプのレベルコントロールを搭載

YAMAHA NS-590のトゥイーターとスコーカーには、連続可変タイプのレベルコントロールを搭載されています。

連続可変タイプのレベルコントロールってなに?

連続可変タイプのレベルコントロールは、音量や音の強さを連続的に調整する機能です。

この機能はトゥイーターとスコーカーの音量を個別に調整できます。

つまり、高音や中音のレベルを自分の好みに合わせて微調整が可能です。

例えば、ジャズやクラシック音楽を聴く際に、特定の楽器や声の部分を強調したいと感じるかもしれません。

この機能によって、そのようなカスタマイズが可能になります。

ちなみに、トゥイーターとスコーカーは以下の部分です

  • トゥイーター:スピーカーの中で高音域(鳴き声などの高い音)を担当する部分です。
  • スコーカー:一般的に中音域を担当するスピーカーの部分で、人の声などの中間の音域を再生します。

YAMAHA NS-590と他のヴィンテージスピーカーとの比較

YAMAHA NS-590と他のヴィンテージスピーカーとの比較

当然ですが、ヴィンテージスピーカーはYAMAHA NS-590だけではありません。

以下では

  • Aurex SS-810
  • DIATONE DS-300V
  • OPTONICA CP-2500

との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。

YAMAHA NS-590とAurex SS-810との比較

YAMAHA NS-590とAurex SS-810との比較は以下の通りです。

  • 方式:両方とも3ウェイ・3スピーカー・ブックシェルフ型であるが、YAMAHAは密閉方式、Aurexはプレッシャーバランス方式を採用している。プレッシャーバランス方式は密閉型に近い効果を持ち、特定の音質の改善が期待できるため、Aurexの方式が若干優れていると言える。
  • 使用ユニット:低域と高域のユニットは同じサイズだが、中域のユニットが異なる。Aurexの中域用ドーム型は、よりクリアな中域再生が期待できるため、この点ではAurexが優れていると言える。
  • 再生周波数帯域:YAMAHA NS-590: 40Hz~20kHz。Aurex SS-810: 20Hz~30kHz -10dB。Aurexの方が広い周波数帯域を持っているため、より広い音域をカバーできる。
  • インピーダンス:両方とも同じであるため、この点では差はない。
  • 外形寸法:YAMAHA NS-590: 幅370x高さ665x奥行315.5mm。Aurex SS-810: 幅410x高さ770x奥行430mm。Aurexの方が大きい寸法を持っている。
  • 重量:YAMAHA NS-590が23.5kg。Aurex SS-810が36kg。Aurexの方が重い。
  • 最大入力:YAMAHA NS-590は70W。Aurex SS-810は100W。Aurexの方が高い最大入力を持っているため、より大きな音量での再生が可能。
  • 音質:YAMAHA NS-590はヤマハのダイナミックでブライトな部分を代表するスピーカーとして開発され、特定の素材と構造によって音質が工夫されている。Aurex SS-810はカーボンファイバーを採用し、プレッシャーバランス方式で特定の音質を追求している。

YAMAHA NS-590とDIATONE DS-300Vとの比較

YAMAHA NS-590とDIATONE DS-300Vとの比較は以下の通りです。

  • 方式:YAMAHA NS-590は3ウェイ・3スピーカー・密閉方式で、DIATONE DS-300Vは2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式です。
  • 使用ユニット:NS-590は低域用30cm、中域用12cm、高域用3cmのユニットを使用しています。DS-300Vは低域用16cm、高域用5cmのユニットです。NS-590のユニットはより広範囲な音域をカバーしています。
  • 再生周波数帯域:NS-590は40Hz~20kHz、DS-300Vは45Hz~30kHzです。DS-300Vの方が高域の再生が広がっています。
  • インピーダンス:NS-590は8Ω、DS-300Vは6Ωです。一般的に8Ωの方が多くのアンプとの相性が良いとされていますね。
  • 外形寸法:NS-590は幅370x高さ665x奥行315.5mm、DS-300Vは幅200x高さ385x奥行286mmです。DS-300Vの方がコンパクトです。
  • 重量:NS-590は23.5kg、DS-300Vは8.0kgです。DS-300Vの方が軽量で取り扱いやすいです。
  • 最大入力:NS-590は70W、DS-300Vは150W(EIAJ)です。DS-300Vの方が大きな入力に対応しており、パワフルな音楽再生が可能ですね。
  • 音質:NS-590はダイナミックでブライトな音質が特徴で、特に低域の再現が強力です。DS-300VはS-LCP振動板による高剛性化とリニアリティの向上が特徴です。

YAMAHA NS-590とOPTONICA CP-2500との比較

YAMAHA NS-590とOPTONICA CP-2500との比較は以下の通りです。

  • 方式:両方のスピーカーは3ウェイ・3スピーカー・密閉方式・ブックシェルフ型です。
  • 使用ユニット:YAMAHA NS-590は低域用に30cmコーン型、中域用に12cmコーン型、高域用に3cmドーム型を使用しています。一方、OPTONICA CP-2500は低域用に25cmコーン型、中域用に4cmドーム型、高域用に2.4cmドーム型を使用しています。YAMAHAの方が低域用のユニットが大きく、より深い低音が期待できます。一方、OPTONICAは中高域にドーム型を採用しており、よりクリアな音質が期待できます。
  • 再生周波数帯域:両者ともに40Hz~20kHzの再生周波数帯域を持っています。
  • インピーダンス:両者ともに8Ωのインピーダンスを持っています。
  • 外形寸法:YAMAHA NS-590は幅370x高さ665x奥行315.5mm、OPTONICA CP-2500は幅320x高さ580x奥行318mmです。YAMAHAの方がやや大きいです。
  • 重量:YAMAHA NS-590は23.5kg、OPTONICA CP-2500は18kgです。重量が軽いOPTONICAは取り扱いが容易である一方、YAMAHAの重量が音質の安定に寄与している可能性もあります。
  • 最大入力:YAMAHA NS-590は70W、OPTONICA CP-2500は50Wの最大許容入力です。YAMAHAの方が高い入力に対応しているため、大音量での再生が可能です。
  • 音質:YAMAHA NS-590はヤマハのダイナミックでブライトな音質を代表するスピーカーで、低域に30cmコーン型ウーファーを搭載しています。一方、OPTONICA CP-2500はNew B&Bコーンを採用し、中高域にドーム型ユニットを使用しています。YAMAHAは低音が強く、OPTONICAは中高域がクリアな音質が特徴です。

YAMAHA NS-590とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

YAMAHA NS-590とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ

以下では、YAMAHA NS-590とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを一部解説します。

YAMAHA NS-590と組み合わせるヴィンテージプリメインアンプは、

  • LUXMAN L-510X
  • YAMAHA A-9
  • OTTO/SANYO DCA-V3

です。

興味のある方は参考にしてみてください。

YAMAHA NS-590とLUXMAN L-510Xの組み合わせ

YAMAHA NS-590とLUXMAN L-510Xの組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:YAMAHA NS-590は8Ωのインピーダンスと91dB/W/mの出力音圧レベルを持っております。一方、LUXMAN L-510Xは100W+100Wの連続実効出力を提供します。この組み合わせにより、スピーカーとアンプ間の互換性が高まります。特に、インピーダンスと出力音圧レベルのバランスが取れているため、安定した音響再生が可能です。
  • 音質の向上:YAMAHA NS-590の3ウェイ・3スピーカー構成とLUXMAN L-510Xの一段増幅アンプの組み合わせにより、音質の向上が期待できます。低域から高域まで均等に再生されるため、音楽の細部まで忠実に再現します。特に、LUXMAN L-510Xのトーンコントロール機能とYAMAHA NS-590のレベルコントロール機能の相乗効果により、より自分好みの音色調整が可能です。
  • 機能の拡張:LUXMAN L-510Xの多岐にわたる機能とYAMAHA NS-590の高性能なスピーカー構造の組み合わせにより、機能の拡張が実現します。例えば、LUXMAN L-510Xのプリメイン分離機能やフォノ・ストレートスイッチなどとYAMAHA NS-590の中域・高域連続可変機能の組み合わせにより、多様な音源に対応し、より自由度の高い音響システムの構築が可能です。

>> LUXMAN(ラックスマン)L-510Xを徹底解説!【特徴の詳細】

YAMAHA NS-590とYAMAHA A-9の組み合わせ

YAMAHA NS-590とYAMAHA A-9の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:YAMAHA NS-590は3ウェイ・3スピーカー・密閉方式のブックシェルフ型スピーカーで、インピーダンスが8Ω、最大許容入力が70Wです。一方、YAMAHA A-9はプリメインアンプで、定格出力が40W+40W(4Ω)、30W+30W(8Ω)のclassAと150W+150W(4Ω)、120W+120W(8Ω)のclassBを提供します。この組み合わせにより、NS-590の性能を最大限に引き出すことが可能で、互換性が高いと言えます。
  • 音質の向上:YAMAHA NS-590の低域には30cmコーン型ウーファー、中域には12cmコーン型スコーカー、高域にはベリリウム振動板を用いた3cmドーム型トゥイーターが搭載されています。これに対し、YAMAHA A-9はピュアカレントサーボアンプ方式を採用しており、電源ラインの影響を受けにくいゼロ素子感度を実現しています。この組み合わせにより、低域から高域まで均等に再生される音質の向上が期待できます。
  • 機能の拡張:YAMAHA A-9はA級/B級切換え式DCメインアンプを搭載しており、音質に応じてクラスを切り替えることができます。また、トーンコントロール可変幅やフィルター特性などの調整が可能で、多岐にわたる音楽ジャンルに対応します。

>> YAMAHA(ヤマハ)A-9を徹底解説!【音質・修理など網羅的に解説】

YAMAHA NS-590とOTTO/SANYO DCA-V3の組み合わせ

YAMAHA NS-590とOTTO/SANYO DCA-V3の組み合わせは、以下のような結果が得られます。

  • 互換性:YAMAHA NS-590は3ウェイ・3スピーカー・密閉方式のブックシェルフ型スピーカーで、インピーダンスが8Ω、最大許容入力が70Wです。一方、OTTO/SANYO DCA-V3はプリメインアンプで、実効出力が60W+60W(8Ω)です。この組み合わせにより、アンプの出力とスピーカーの許容入力が適切にマッチし、安定した動作が可能です。また、DCA-V3の高いダンピングファクターとNS-590の精緻なユニット設計が相まって、高い互換性を実現しています。
  • 音質の向上:YAMAHA NS-590の低域から高域までバランスの取れた再生能力と、OTTO/SANYO DCA-V3の高いS/N比や低歪み設計が組み合わさることで、音質の向上が期待できます。特に、NS-590のベリリウム振動板を用いた高域ユニットとDCA-V3の周波数特性が相互に補完し合い、クリアで透明感のあるサウンドを実現します。また、DCA-V3のパルス電源技術が、ダイナミックレンジの拡大と音の解像度の向上に貢献します。
  • 機能の拡張:OTTO/SANYO DCA-V3の多様な入力端子と調整機能は、YAMAHA NS-590との組み合わせにおいても、システムの拡張性を高めます。例えば、DCA-V3のトーンコントロール機能を活用することで、NS-590の中域と高域のレベルコントロールと連動させ、音質の微調整が可能です。また、DCA-V3のラウドネス特性とNS-590の低域再生能力が相まって、豊かな低音表現が楽しめます。

YAMAHA(ヤマハ)NS-590を徹底解説!【他のスピーカーとの比較】のまとめ

本記事では以下を解説しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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