この記事の概要
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SHARP/OPTONICA RT-W7は音楽愛好家の方からの評価も高く、完全ヴィンテージなカセットデッキです。
本記事では、その魅力を特徴やおすすめのヴィンテージ音楽機器との組み合わせなど、徹底解説します。
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SHARP/OPTONICA RT-W7の概要と特徴
SHARP/OPTONICA RT-W7のスペック | |
---|---|
テープ速度 | 4.75cm/s |
モーター | FGサーボDCモーター |
ヘッド | テープ1:S&Sナローギャップ再生専用ヘッド テープ2:S&Sワイドギャップ録音専用ヘッド |
周波数特性 | 20Hz~17kHz(ノーマル) 20Hz~19kHz(クローム) 20Hz~22kHz(メタル) |
SN比 | Dolby off:60dB(メタル) Dolby on:70dB(5kHz以上) |
歪率 | 1%以下 |
重量 | 7.4kg |
SHARP/OPTONICA RT-W7はダブルカセットデッキです。
再生デッキには一発選曲APSS機構、録音デッキには無信号部分を作るエディタースイッチを搭載しています。
以下では、SHARP/OPTONICA RT-W7の特徴の詳細を解説します。
①:SHARP/OPTONICA RT-W7にはバイアス・アジャスト機能を搭載
SHARP/OPTONICA RT-W7はバイアス・アジャスト機能を搭載しています。
バイアス・アジャスト機能は、録音時にテープに適切な信号を記録するための重要なプロセスです。
以下はバイアス・アジャストの概要とその機能についてです。
- バイアスとは:バイアスは、録音時にオーディオ信号に追加される高周波信号のことを指します。この高周波信号は人間の耳には聞こえない範囲で、録音の品質を向上させる役割があります。
- バイアスの役割:テープへの録音は、磁気ヘッドがテープ上の粒子を磁化することで行われます。バイアス信号を加えることで、テープ上の粒子の磁化の挙動をより均等にし、録音の歪みを減少させる効果があります。
- バイアス・アジャストの必要性:異なる種類のカセットテープ(例:クロムテープ、メタルテープなど)は、異なるバイアスレベルで最適な録音が得られます。バイアス・アジャスト機能は、使用するテープの種類に応じてバイアスレベルを調整することができる機能で、これにより最適な録音品質を実現します。
バイアス・アジャストは、カセットデッキの録音品質を向上させるための精密な調整機能で、使用するテープの特性に合わせてバイアス信号のレベルを調整することができます。
この機能により、よりクリアで自然な録音が可能になり、音楽や音声の再現性が高まります。
②:ドルビーNR回路の採用
SHARP/OPTONICA RT-W7はドルビーNR回路を採用しています。
ドルビーNR回路(Dolby Noise Reduction Circuit)は、ノイズを減少させるために使用される技術です。
具体的にドルビーNRはどんな働きをするの?
ドルビーNRは『録音時』と『再生時』の働きがあります。
- 録音時:録音時には、特定の周波数帯域の信号を強調して記録します。この強調は、ノイズが主に発生する高周波域で行われます。
- 再生時:再生時には、録音時に強調された周波数帯域の信号を元に戻します。この逆処理により、ノイズも同時に減少します。
ドルビーNR回路は、テープヒスなどの高周波ノイズ減少などの利点があります。
③:ローノイズICLアンプを搭載
SHARP/OPTONICA RT-W7をローノイズICLアンプを搭載しています。
ローノイズICLアンプ(Low Noise Input Capacitor-Less Amplifier)は、カセットデッキなどのオーディオ機器に採用される特殊なアンプの一種です。
以下、その特徴と機能について解説します。
- ローノイズ:このアンプは、ノイズを極力抑える設計がされており、クリアで純粋な音質を提供します。
- インプットキャパシターレス:通常のアンプには入力側にキャパシターが必要ですが、ICLアンプは入力キャパシターを必要としません。これにより、信号経路が短くなり、音質の劣化を最小限に抑えます。
- コンパクトな設計:キャパシターを省略することで、部品数が減り、よりコンパクトな設計が可能になります。これは、スペースが限られた機器内での配置に有利です。
- エネルギー効率:キャパシターの省略により、エネルギー効率も向上します。これは、消費電力の削減につながります。
SHARP/OPTONICA RT-W7のような、高音質を求めるプロフェッショナルな機器や、省スペース・省エネルギーが求められる機器に適しています。
SHARP/OPTONICA RT-W7と他のヴィンテージカセットデッキとの比較
当然ですが、ヴィンテージカセットデッキはSHARP/OPTONICA RT-W7だけではありません。
以下では
- Technics RS-M202
- AIWA AD-F700R
- DENON DR-F3
との比較を解説しているので、興味のある方は参考にしてみてください。
Technics RS-M202との比較
- デザイン:SHARP/OPTONICA RT-W7は、S&SヘッドやローノイズICLアンプなどの先進技術を採用しているため、外観も洗練されています。Technics RS-M202は、クラシックなデザインが特徴です。
- 機能:RT-W7はダビングスイッチやバイアス・アジャストなどの特殊機能を持ちます。RS-M202は、基本機能に重点を置いたモデルで、シンプルな操作性が魅力です。
- 音質:RT-W7のローノイズICLアンプは、クリアな音質を提供します。RS-M202は、堅実な音質で、一般的な用途に適しています。
AIWA AD-F700Rとの比較
- デザイン:AIWA AD-F700Rは、モダンなデザインと高級感があります。RT-W7は、機能性とデザインのバランスが取られています。
- 機能:AD-F700Rは、多様なイコライザー設定やデジタルインターフェイスなど、高度な機能を持っています。RT-W7は、ダビングや録音に特化した機能が充実しています。
- 音質:両機種ともに高音質を追求しており、選ぶ際は個人の音楽嗜好や用途に応じて選ぶとよいでしょう。
DENON DR-F3との比較
- デザイン:DENON DR-F3は、プロフェッショナルな使用を想定した堅牢なデザインです。RT-W7は、家庭用としても使いやすいデザインです。
- 機能:DR-F3は、プロのオーディオエンジニアが求める精密な調整が可能です。RT-W7は、一般ユーザー向けに、使いやすさと機能性を兼ね備えています。
- 音質:DR-F3は、スタジオクオリティの音質を提供します。RT-W7も高品質な音を提供しますが、より家庭用に最適化されています。
SHARP/OPTONICA RT-W7とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせ
SHARP/OPTONICA RT-W7のようなカセットデッキは、基本的にプリメインアンプに接続して使用するはずです。
その為、以下ではSHARP/OPTONICA RT-W7とヴィンテージプリメインアンプとの組み合わせを解説します。
LUXMAN L-510Xとの組み合わせ
- 一段増幅:L-510Xの一段増幅は、高いゲインと電圧増幅を実現し、電源ノイズや高域補正の問題を改善しています。RT-W7の高品質な録音・再生と組み合わせることで、クリアで力強い音楽再生が可能です。
- アース回路の純化:L-510Xは、アース回路の純化により、音楽信号同士の干渉を防ぎます。RT-W7のローノイズICLアンプとの組み合わせで、より純粋な音楽信号の伝達が実現します。
- トーンコントロール:L-510Xの高音域・低音域の調整機能は、RT-W7の録音・再生と組み合わせることで、自分好みの音質調整が可能です。
>> LUXMAN(ラックスマン)L-510Xを徹底解説!【特徴の詳細】
ONKYO Integra A-925との組み合わせ
- ダブルコアAEIトランス:A-925の電源部には、磁気漏れを限界まで抑えるダブルコアAEIトランスが搭載されています。これにより、瞬間的な変化や連続的な大電流に強い電源部を実現し、RT-W7の高品質な録音・再生と相性が良いです。
- モータードライブ方式のリモコン:A-925は、音質劣化のないモータードライブ方式のリモコンを採用しており、ボリューム調整や入力切換えが手元で行えます。RT-W7との組み合わせで、快適な操作性と高品質な音楽体験が楽しめます。
- 内部構造:A-925の内部構造は、信号経路の最短化と合理的な電源供給ラインに配慮されています。振動解析にも重点を置き、強度の確保と共振の分散を図っています。RT-W7との組み合わせで、安定した動作と優れた音質が実現します。
>> ONKYO Integra A-925を徹底解説!【機能や音質など網羅的に解説】
Marantz(マランツ)PM-50との組み合わせ
- 大容量コンデンサー:PM-50の電源部には15,000μFx2の大容量コンデンサーが搭載されており、安定した電流供給が可能です。これにより、RT-W7との組み合わせで、安定した音質と力強い再生が楽しめます。
- ノイズ対策:電源回路の分離やレイアウトに配慮が施されており、ノイズの混入を防いでいます。RT-W7との組み合わせで、クリアでノイズの少ない音楽再生が可能です。
- 多彩な入出力端子:入力端子は5系統、テープ入出力端子は2系統が搭載されており、テープ・モニター・スイッチにより、テープ1から2への編集が簡単に行えます。RT-W7との組み合わせで、多様な接続と録音・再生が楽しめます。
>> Marantz(マランツ)PM-50を徹底解説!【音質や組み合わせなど】
SHARP/OPTONICA RT-W7を徹底解説!【比較や組み合わせなど】のまとめ
本記事では以下を解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。